35ミリフィルムを使う

120フィルムの代わりに35ミリフィルムを入れて、フィルムの先端を巻き軸のスリットに差し込んでフィルムを巻き上げていきます。フィルムカウンターの部分がそのままだと、フィルムが感光(写真が真っ白になる)してしまうので光を透さないテープなどで遮光します。撮影後に完全暗室でフィルムの巻き戻しを行います。

35ミリフィルムの装填

巻き軸を右側に入れる
空の巻き軸を右のスペースに入れます。
パトローネを入れる
パトローネ(35ミリフィルムの外殻)の出っ張りを下側にしてフィルムを入れます。そのままだとフィルムが上下に動いてしまうので、空いているところに何かスペーサーを挟みます(写真はコインを使用)。フィルムがなるべく中央部を通るようにパトローネの位置を調整します。
フィルム先端をスリットに差し込む
フィルムの先端を巻き軸のスリットに差し込んで、フィルムが巻き上げられていくように巻き上げダイヤルを回します。フィルムは巻き軸に平行に巻き取られていくようにします。
たるみを取る
フィルムがたるんでいたら、左側は固定しつつ巻き上げダイヤルを回してたるみをとります。
裏蓋を閉める
フィルムのたるみがとれたら、裏蓋を閉めます。
ロックは確実に
裏蓋のロックが緩い場合はテープを貼るか、強力な輪ゴムなどで留めると良いでしょう。
フィルムカウンターの遮光
フィルムカウンター(赤い窓)から光が入り込んで感光してしまうのでアルミホイルとテープで遮光します。
アルミホイルとテープで
フィルムカウンターを覆う大きさのアルミホイルをかぶせて、その上からテープを貼ります。
完全に遮光する
これで完全に遮光できました。使っているのは黒パーマセルテープというものでこれ自体にも遮光性があり、写真用品店などで売っています。使うのは黒パーマセルテープでなくても良いですが、カメラとアルミホイルの隙間から光が入り込まないよう厳重に目張りしてください。
1周半以上巻き上げる
裏蓋を閉めて遮光が終わったら、フィルム巻き上げダイヤルを1周半以上回します。これで1枚目の写真が撮れる準備ができました。シャッターボタンを押して撮影したら、また1周半ダイヤルを回します。これで次の撮影ができます。以後、この繰り返しです。そして、フィルムが巻き上げられなくなったら終わりです。36枚撮りフィルムで19枚撮ることができました
巻き上げダイヤルのマーク
巻き上げダイヤルの上に、対になるようにマークを付けておけば回転量がわかり便利です。(写真の)赤丸からスタートすれば、2回目の白丸が1周半と分かります。

完全暗室での巻き戻し作業

35ミリフィルムは撮影終了後に巻き戻しが必要ですが、HOLGAでは構造上巻き戻しが出来ないので、完全暗室またはチェンジバック(ダークバック)の中でフィルムの巻き戻しを行います。

完全暗室とは、夜に雨戸を閉めて部屋の電気を消して押入に入って5分くらいしても自分の手が見えないような暗い部屋のことです。自分の手が見えるということは光があるということなので、その場所は完全暗室ではありません!

少しでも光があればフィルムが感光します。チェンジバックは、明るいところでもフィルム交換ができる光を透さない袋状の写真用品です。

裏蓋を外した状態
(完全暗室で)裏蓋を取り外します。
取り出したフィルム
(完全暗室で)フィルムと巻き取りスプールをカメラから取り外します。
フィルムを巻き戻す
(完全暗室で)パトローネを持って、出っ張っている軸を回すとフィルムが巻き込まれていきます。軸を持っている手を離すと巻いた分が元に戻ってしまうので、パトローネを持っているほうの指で軸の反対側を固定しながらやるとうまくいきます。

文章にするとややこしそうですが、やってみると案外簡単だと思います。この作業は途中で中断して明るいところにでることはできません。自信がない場合はフィルムを1本無駄にして、(目を閉じて)フィルムの取り出し〜巻き戻しの練習をしてからのほうが安心できると思います。

取り出した35フィルム
巻き戻したフィルムはこのまま現像に出せます。なるべく早く現像に出すようにしましょう。

35ミリと6×6の比較写真

横方向の写る範囲は6×6の場合と変わらず、縦方向はフィルムの幅の分だけ狭く写ります。

35ミリフィルムで撮影 120フィルムで撮影
35ミリフィルムで撮影 6×6サイズで撮影
35ミリフィルムで撮影 6×6サイズで撮影

現像したフィルムのプリント

さて、この特殊サイズが写真店などでプリントできるかは分かりません。プロラボだとやってくるところがあるかもしれませんが、おそらく普通の写真店では断られると思います。

私は6×6・35ミリフィルムとも透過原稿ユニット付きのフラットベッド・スキャナでスキャンして、デジタルデータを作ってからプリントをしています。

ここで紹介した以外に、HOLGAで35ミリフィルムを使うには市販されている35ミリフィルム専用ホルダーを使うという方法もあります。